ひじきの保存方法と保存期間について。作り置きの日持ち時間など【ひじき漁師が解説】
- さかえる

- 2021年10月9日
- 読了時間: 5分
更新日:10月4日

要点まとめ。乾燥ひじきの賞味期限は?
乾燥ひじき:湿気を避けて常温保管で年単位で保存可(感じ方次第で熟成を好む方もいらっしゃいます。私もその一人です)。
水戻し後:冷蔵は数日〜1週間目安。長期は冷凍で約1ヶ月。
戻しすぎ対策:料理して小分け冷蔵/冷凍、または再度天日干しという産地の知恵も。
ひじき賞味期限が設定されていても乾燥状態であれば数年保存可能

乾燥ひじきは、日本古来の保存食です。結論から言えば、乾燥状態であれば数年間保存が可能です。感じ方は人それぞれなのですが、2〜3年経過したひじきの方が熟成していて美味しいとおっしゃる方も。
この記事を書いている本人はひじき漁師であり、研究のため様々な乾燥ひじきを取り寄せたり買い溜めして日頃から食べていますが実際乾物であれば賞味期限は気になりません。
生産加工している煮付けにせずサラダで食べられる沖家室ひじきも、賞味期限は製造から1年という形にしていますが、自宅で食べているものは数年物の熟成させたものであることも多いです(3〜5年モノの熟成ひじきを加工販売する準備もしたいと思っているくらいです)。
ひじきは栄養豊富な防災食。ミネラル・食物繊維豊富な保存食として普段から消費しつつ備蓄しておくといざという時にも役立ちます
乾燥ひじきは湿気を避けて保管

沖家室ひじきは全工程天日干しですが、ほとんどのひじきは乾燥機を使って乾燥させています。梅雨時期などの湿気には弱く、カビが生えてしまうことがありますので、湿気を避けて風通しの良い場所で保管するようにしてください。
沖家室ひじきは、全工程で乾燥機を一切使わずミネラルやビタミンの増幅効果もある天日干しで乾燥させています。詳しくは「ひじきの生産過程」をご覧ください。
水戻ししすぎたひじきは数日〜1週間程度なら冷蔵庫で。〜1ヶ月ほどなら冷凍保存も可能。

水戻しをする量を間違ってしまったとしても数日で食べられる量であれば冷蔵庫で保管することも可能です。当然水戻し後の保存期間が長くなるだけ風味が落ちてしまいますので、お早めにお召し上がりください!乾燥状態であれば年単位で保存できるので、戻しすぎにはご注意ください(ちぎったり、ハサミで切って少量ずつ水戻ししましょう)。
ちなみにひじきサラダにする場合は冷蔵庫で冷えていた方が夏場などは食感も上がってオススメです(ひじき漁師である私も水で戻した後、冷蔵庫に入れて冷やしてから食べるのが大好きです。そうめんやそばなどにトッピングしたり、酢の物にしたときに◎)。
ひじきの大量消費の王道メニュー&冷凍可否

おにぎり化したり、ハンバーグやコロッケのように「あとは焼くだけ」「レンジでチンするだけ」の状態にして冷凍しておくのがおすすめです。
よく水切り→薄味で下味をつけてから冷凍(匂い移りを防止)
薄く平らに小分けして急冷(復活が段違い)
目安:冷蔵 2〜3日/冷凍 1か月
解凍は冷蔵解凍→温め直し or 凍ったまま加熱。自然解凍のみは水っぽくなりやすい
戻し汁は使わない(風味は良いが、雑味や栄養の流出分が含まれるので基本は捨てる)
メニュー | 大量消費 | 冷凍 | 目安保存 |
ひじきおにぎり(おにぎり化して保管。炊き込みご飯も可) | ◎ | ◎ | 冷蔵3〜4日、冷凍1ヶ月 |
ひじき煮(基本の旨煮/つくだ煮寄り) | ◎ | ◎ | 冷蔵3〜4日 / 冷凍1か月 |
ひじき×鶏つくねハンバーグ(豆腐ハンバーグでもOK) | ◎ | ◎ | 冷蔵2〜3日 / 冷凍1か月 |
ひじきコロッケ(成形まで) | ○ | ◎ | 冷凍1か月(揚げる前) |
ひじき入りお好み焼き/チヂミ | ○ | ○ | 冷凍2〜3週間 |
ひじき“具”キューブ(スープベース) | ○ | ◎ | 冷凍1か月(製氷トレイ) |
大皿サラダ(ノンオイル系) | ◎ | × | 冷蔵1〜2日 |
そのまま冷凍(無味・水戻しのみ) | – | △ | 冷凍2〜3週間(水っぽくなりやすい) |
ひじきを作り置きするなら冷凍庫も活用
作り置きをする場合はラップで小分けにしたり冷凍用保存袋に入れて冷凍庫にて保存しましょう。こちらも1週間程度であれば冷蔵庫で保管も可能です。お弁当に詰める場合凍ったまま入れて自然解凍させてもよし、すぐに食べる場合は電子レンジで加熱解凍しましょう。
冷凍保存も、家庭用の冷凍庫は頻繁に開け閉めがされて温度変化があり解凍と冷凍が繰り返されるような形になりますので、1ヶ月程度を目安にお召し上がりください。
ひじき漁師や産地では、食べない分は再度天日干しして乾燥させて保管...という方法もとられることがございます。一般家庭では流石に再度天日干しするほど水戻ししないと思いますが、一つの参考としてお伝えさせていただきます。
ひじきを水で戻して煮ないで生で?食べて良い理由。実は生産過程で数時間じっくり釜茹でしています。
水で戻してすぐ食べられるひじきは実は「磯から収穫してきた生の状態ではない」のです。本当に生のひじきはコリッコリですが、乾燥ひじきはすぐ調理できるよう、すでに数時間しっかり釜で湯がいているのです。
生産過程を知ることで家庭でのお召し上がり方、保存方法も考えやすくなると思います。ぜひチェックしてみてください!もちろん磯から収穫している物なので商品によっては、砂や石、他の海藻、不純物が混ざっている可能性もゼロではないので水戻しの時にしっかり洗っていただくことを推奨します。
沖家室ひじきは、新芽を厳選し全ての工程を手作業で最後まで徹底して選別を行っていますので水戻し後すぐにサラダとしてお召し上がりいただくことを推奨しています。
煮付けにせず、サラダで食べて欲しい最高級ひじき

この記事を書いたひじき漁師である私が生産加工しているひじきです。新芽のひじきを食べたことはありますか?
ひじきといえば煮付けですが、この沖家室ひじきは、サラダやそうめんやパスタへのトッピング、パンに挟んでサンドイッチに...といったお楽しみいただき方が可能です。「これが....ひじき?」となると思います。
手土産などの贈り物はもちろん、日常のちょっとした自分へのご褒美としてもおすすめです。ひじきの生産過程もまとめていますので、食卓の話のタネに、ぜひ一度ご覧いただけたら幸いです。










