ひじきは無機ヒ素が含まれていて危険?【実際に収穫・加工しているひじき漁師が解説】



結論から言うと


沖家室ひじきは、水溶性である無機ヒ素を生産工程で90%以上低減させており、毎日1人1袋ずつ(乾燥状態15g|水戻し後120g=丼一杯)を一生涯食べ続けても理論上健康被害は現れません。


栄養面のメリットと、リスクを比較してみてください


もちろんひじきそのものに含まれるヒ素は他の食品に比べて多いとされていますが、生産過程で一生食べ続けても問題ない程度に低減されていることなどから、ミネラル豊富なひじきを食べる栄養面でのメリットとその効果と比較しつつお召し上がりいただくとよろしいかと思います。ひじきの栄養、すごいですよ。


確かにヒ素は含まれているけれど、生産過程で対策されています


ひじきに含まれる無機ヒ素は水溶性なので、水洗い、水戻し、ゆでこぼし等によって低減することが可能です。製造・加工工程での調理の際、水洗い、水戻し、ゆでこぼし等が行われますので、その過程で無機ヒ素は減っていくのです。


【計算根拠】 (1)WHOなどが定めた無機ヒ素の耐用週間摂取量(ヒトが一生にわたり摂取し続けても健康影響が現れない指標。水銀などは0.016mgとされている)は0.15mg/kg体重/週 (2)体重60kgの場合1週間に0.90mg(=0.15mg/kg×60kg)まで問題なし (3)一般的な乾燥ひじきに含まれる無機ヒ素は平均77mg/kg(1キログラム単位で見ると「え、ひじきってそんなにヒ素あるの?」と思うかもしれませんが、乾燥ひじき1kgは水戻しすると8kgです。凡そ大きなバケツ一杯分) (4)沖家室ひじきの製造過程では、水戻し洗い3回30分以上、ゆでこぼし120分以上2回給水を行なっており無機ヒ素を9割以上(1割未満に)減らしている (5)ゆえに、乾燥ひじき無機ヒ素平均77mg/kg×10%=平均8mg/kg。沖家室ひじき1パック15gあたりは0.12mg(=8/1,000×15)。 (6)(1)〜(5)により、沖家室ひじきは、毎週7袋ずつ(1日1袋)一生涯食べ続けても理論上健康影響は現れません(0.12mg×7=0.84mg)。沖家室ひじき1パックは乾燥状態で15gであり、水戻しすると120g程度。1週間に840gは食べても、水戻しした水を料理に使ったとしても問題ないのです。 (7)もっというと、無機ヒ素が15g中0.12mgなのは沖家室ひじきを水戻ししない場合であって水戻ししてサラダでお召し上がりいただく場合には、さらに無機ヒ素は低減します。

生産工程での水戻し・水洗いとゆでこぼしの様子



沖家室ひじきでは、生産工程で約15分〜20分以上の水戻しを3回繰り返し(計40〜60分)ていることに加え、5升の鉄釜で茹でこぼしをしながら2時間(給水2回)行なっておりますので、90%以上のヒ素は除去されています。


水洗いやゆでこぼしすることによって鉄分や水溶性の食物繊維も一定量溶け出しますが7割以上は残り、カルシウムなどのミネラルの量は変わらないことが分かっています。


【参考】日本におけるひじきの食文化について


なお、日本国内において2021年現在、比較的ヒ素が多いとされているひじきや海苔による健康被害の報告はなされていないことも、合わせて参考にしていただけますと幸いです。


ちなみに沿岸部では平安時代以前から食べられたり高級品として貢物となっている食材であるとの記録が残っており、海藻を食べる集落ではその他の集落より寿命が長かった、という研究結果もございます。そのためひじきは長寿の象徴とされ、昔の敬老の日(9月15日)が「ひじきの日」となっているほどです。


安心してお召し上がりいただきつつ、バランスの良い食生活を心がけてください


イギリスの食品規格庁が「ひじきの中に発がん性が指摘されている無機ヒ素が高い濃度で含まれているとして、英国民にひじきを食べないよう勧告した。」などとの報道が2000年代になされていますが、日本のひじきの生産過程や消費過程には触れられておりません。


そもそも「毎日適量以上に食べ続けると健康被害が生じる食べ物」は「どの食べ物でも同じ」かなと考えております。どうしてもご心配な方は、上記の計算根拠をご覧いただき、安心して毎日丼一杯、ひじきをお召し上がりください!大前提としてバランスの良い食生活が大切です。


参考文献


食品安全委員会「ひじきに含有されている無機ヒ素について

農林水産省「ヒジキにはヒ素が含まれていると聞きましたが、ヒ素を減らす工夫があれば教えてください。」「ヒジキに含まれるヒ素の低減に向けた取組


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