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沖家室ひじき 公式案内板

よくあるご質問について詳しく解説しています。

ひじきは無機ヒ素が含まれていて危険?【実際に収穫・加工しているひじき漁師が、最新の知見と現場の実態をまとめます】

  • 執筆者の写真: さかえる
    さかえる
  • 2021年10月10日
  • 読了時間: 6分

更新日:8月11日


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結論から言うと問題ない。


沖家室ひじきは、水溶性である無機ヒ素を製造工程(複数回の水洗い・ゆでこぼし)で大幅に低減しており、国内外の文献・評価手法(BMDL 等)を踏まえると、適切な下ごしらえ(戻し水・ゆで汁は捨てる)を前提に日々の食卓に毎日1人1袋ずつ(乾燥状態15g|水戻し後120g=どんぶり一杯)程度取り入れても過度に心配する必要はないと考えています(※)。とはいえ食の安全に関わる部分ですので、「絶対に安全/危険!」などという断定はせず継続的に確認・開示を行ってまいります。


私が生産しているひじき以外も、性質上工程で水洗い・ゆでこぼしを実施している可能性が高い(そうしないと磯由来の不純物が多く、食用に適しません)ため、同様の低減が見込まれることから、いずれにしも心配は不要です。


水だって飲みすぎたら中毒になりますから、実際に計算してみたところそれと同じような文脈だと思っておけば良いレベルだと判断できました。毎週どんぶりいっぱい以上のひじきを食べ続けたら、それはヒ素云々ではなく別の理由で健康を害するという...。

※実際一人でそれほど大量に食べる方はいないと思いますし、ほぼ毎日ひじきをたくさん食べている私も1日あたり乾燥重量5g(水戻し後で約50g)ほどです

ひじきと無機ヒ素の基礎知識


無機ヒ素は海藻類に比較的多いことが知られています。「だから危険」ではなく「どの水準までどう減らすか」がポイントです。無機ヒ素は水溶性なので、水洗い→水戻し→ゆでこぼし(ゆで汁は捨てる)で低減されます。日本の製造現場では元来この操作が工程に組み込まれています。

海外の資料や一部論文では、収穫直後に乾かした“原料乾物”と、日本の製造工程(水洗い・煮沸・ゆでこぼし)を経てから再乾燥した最終製品乾物を区別せず“dried hijiki”と呼んでいる例があります。比較の際は試料の段階を必ず確認してください。

栄養面のメリットと、リスクを比較してみてください


もちろんひじきそのものに含まれるヒ素は他の食品に比べて多いとされていますが、生産過程で健康への影響が出るとされる指標と比較して十分低い水準にまで低減されていることから、ミネラル豊富なひじきを食べる栄養面でのメリットとその効果と比較しつつお召し上がりいただくとよろしいかと思います。ひじきの栄養、すごいですよ。


確かにヒ素は含まれているけれど、生産過程で対策されています


ひじきに含まれる無機ヒ素は水溶性なので、水洗い、水戻し、ゆでこぼし等によって低減することが可能です。製造・加工工程での調理の際、水洗い、水戻し、ゆでこぼし等が行われますので、その過程で無機ヒ素は減っていくのです(農水省の調査では約9割まで低減が確認されています)。




【計算根拠】※海外の行政・論文の一部は、 収穫後に乾かした原料乾物(処理前)と、 日本の製造工程(複数回の水洗い・ゆでこぼし等)を経て再乾燥した製品を区別せず「dried hijiki」として扱っていたり、その多くが原料乾物ベースの評価であり、日本のような製造工程後の乾燥品と混同される場合がある点、特に注意が必要です。 (1)無機ヒ素について、かつてWHOが公表していたPTWI(耐用週間摂取量:15µg/kg体重/週)は2010年に撤回され、現在は「これ以下なら生涯食べ続けても安全」という週間許容量は設定されていません。比較の目安としては、EFSA(European Food Safety Authority)がBMDL01(Benchmark Dose Lower confidence limit=健康にわずかな影響が出始める用量の、さらに安全側に保守的に算出した目印の下限)0.3〜8µg/kg体重/日を提示しており、近年はより保守的な0.06µg/kg体重/日という参照点も議論されています。 (2)体重60kgに換算すると、BMDL01は18〜480µg/日(=0.3〜8×60)。保守的参照点では3.6µg/日(=0.06×60)。 (3)一般的な乾燥ひじきに含まれる無機ヒ素は文献で概ね 67〜96mg/kgの報告があり、ここでは便宜上平均77mg/kg(乾物基準)を置きます。※乾燥1kgは水戻しをすると食べる時には約8kg相当になります(大きな樽にいっぱいで大体8kgです)。 (4)沖家室ひじきの製造過程では3〜4回の水洗いと2〜3回のゆでこぼしを実施。無機ヒ素は水溶性のため工程全体で大きく低減します。公開研究でも、条件により概ね33〜80%の低減が報告されています。家庭調理条件の農水省調査でも、水戻しで約5割、ゆで戻しで約8割、ゆでこぼし一回で約9割まで低減が確認されています(手順:30分浸漬→戻し水廃棄→沸騰後5分ゆで→湯を捨て→流水洗い)。事業者向け資料でも“水洗い・水戻し・蒸煮・煮熟で低減”とされています。 (5)仮に「9割低減(=1割残存)」と置くと、乾燥ひじき無機ヒ素は77mg/kg ×10% = 7.7mg/kg。1パック15gあたりは0.116mg(=116µg)(=7.7/1,000×15)となります。 (6)参考として「1日1袋(週7袋)」を体重60kgで見ると、1日あたり116µg → 1.93µg/kg体重/日(=116÷60)。これはBMDL01(0.3〜8µg/kg日)の範囲内には位置しますが、当社としては製造での低減+家庭での追加低減(戻し水・ゆで汁は捨てる)の二段構えを推奨します。 (7)以上より、無機ヒ素は生産工程で十分対策できているといえますが、水戻しでさらに低減します。ご心配な方は戻し水やゆで汁は再利用せず廃棄してください。サラダ等“水戻しのみ”で食べる場合も、戻し水を捨てる運用で追加低減が期待できます。

生産工程での水戻し・水洗いとゆでこぼしの様子



沖家室ひじきでは、生産工程で水洗いを繰り返していることに加え、鉄釜でのゆでこぼし工程を複数回組み合わせ、工程全体で大幅に(90%以上のヒ素は)低減しています。


水洗いやゆでこぼしすることによって鉄分や水溶性の食物繊維、カリウムなども一定量溶け出しますが7割以上は残り、カルシウムなどのミネラルの量は変わらないことが分かっています。


よくある疑問


  • 毎日食べて大丈夫?海外で「食べないように」という資料などがあるのは?:国際的には「できるだけ低く」が基本とされていますがその多くは原料乾物ベースの評価に依拠し、日本の製造工程後の乾燥品と混同されることがあります。試料段階の違いに注意が必要です。

  • 水洗いや茹でこぼしで他の栄養は減らないの?:水溶性の一部は減りますが、大部分のミネラルは残存しますバランスの良い食事と合わせて取り入れてください。



【参考】日本におけるひじきの食文化について


なお、日本国内において2025年現在、比較的ヒ素が多いとされているひじきや海苔による健康被害の報告はなされていないことも、合わせて参考にしていただけますと幸いです。


ちなみに沿岸部では平安時代以前から食べられたり高級品として貢物となっている食材であるとの記録が残っており、海藻を食べる集落ではその他の集落より寿命が長かった、という研究結果もございます。そのためひじきは長寿の象徴とされ、昔の敬老の日(9月15日)が「ひじきの日」となっているほどです。


安心してお召し上がりいただきつつ、バランスの良い食生活を心がけてください


イギリスの食品規格庁が「ひじきの中に発がん性が指摘されている無機ヒ素が高い濃度で含まれているとして、英国民にひじきを食べないよう勧告した。」などとの報道が2000年代になされていますが、日本のひじきの生産過程や消費過程には触れられておりません。


そもそも「毎日適量を超えて食べ続けると健康被害が生じる食べ物」は「どの食べ物でも同じ」かなと考えております。どうしてもご心配な方は、上記の計算根拠をご覧いただき、安心して毎日丼一杯、ひじきをお召し上がりください!大前提としてバランスの良い食生活が大切です。




参考文献



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煮付けとして、炊き込みご飯として...日本の食卓におかずとして登場する「ひじき」。そのひじきが、抜群の栄養価を誇りそして手軽にサラダにできることをご存知でしょうか?1)「磯の女王」ひじきはミネラルの宝庫全ての生命の源である「海」。海の野菜といえば海藻です。豊かな海で育った海藻にはとても豊富な栄養価があります。カルシウム、マグネシウムをはじめとしたミネラルが豊富なことに加え、ビタミンBや葉酸なども含まれています。カルシウム含有量は海藻でもNo.1で、カリウムも多く含まれています。2)ひじきが鉄分豊富である意外な理由実はひじき自体が鉄分豊富なのではなく、「昔ながらの鉄釜製法のひじきは」鉄分が豊富なのです。100gあたりの鉄分含有量は、ステンレス製のひじきが約6〜8mg前後なのに対して、鉄釜ひじきは約5倍以上もの鉄分含有量となっています。 現在ではメンテナンスのしやすさからステンレスの釜が普及し鉄釜製法は5%未満となってしまいましたが、沖家室ひじきは引き続き昔ながらの鉄釜製法で作り続けています。3)栄養豊富なのに低カロリー極め付けに低カロリー。いくら食べても太りません。その理由は、ひじきの成

 
 
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