この度、ひじきを湯がくために使っていた鉄の大釜を5升から6升にサイズアップしました。正確に申し上げると2年前まで師匠が使っていた6升釜と同じ大きさのものがようやく見つかったので理想的な大きさに戻しました、です!
沖家室ひじきの豊富な鉄分の由来は、大きな鉄釜でひじきを湯がくことによるものです。昔はひじきの生産現場のほとんど、もっというと家庭の調理器具もほとんどが鉄釜でした。
鉄釜製法のひじきは今や5%未満に
管理しやすいステンレス窯が生まれたことで、日本で流通しているひじきのうち、鉄釜で湯がいているひじきはもはや5%未満です。
ステンレスに比べて管理はとても大変ですが味もあるし鉄分も普段の料理で補給できます。
師匠が8年使った鉄釜は底に穴が空いて2年前にお蔵入り
「6升釜」を使っていたのですが、摩耗が進んでこの通り釜底が割れてしまったそう。
なかなか見つからない6升釜。最近は5升釜を活用
たった1.8リットルの差ですが、水の量やひじきの量を考えながら薪の火で湯がくのに効率が違います。苦労を重ねて5升の窯で生産を続けてきました。
鉄の大釜は、昔どの家庭でも使っていたこともあり、5升(約9ℓ)の鉄釜はよく見つかるので、摩耗した場合の予備で4つストックがあるのですが...
6升(約11ℓ)は島内色々当たっても2年間見つからず
鉄釜は6升くらいの大釜になると、なんと10万円はするのです...。そもそもこのご時世売ってない。
ようやく見つかった待望の鉄釜!
右下の錆びついた釜が今回見つかった6升釜、左上の綺麗な釜が2年前に穴があくまで使っていた鉄釜。同じ大きさです。島内の方から使わなくなって倉庫に眠っていたものを譲っていただくことができました。
師匠一家と一緒に喜んだ1日でした!嬉しい!
錆びていても鉄釜は磨けば蘇る
びっくりするくらい錆びていても、鉄釜は研磨すれば蘇ります。大切に先人が使っていた鉄釜を活用させていただきます。みっちり午後いっぱい磨いた鉄釜はとても風合いのある出立ちに。
これからも沖家室ひじきは昔ながらの鉄釜製法で
ステンレスに比べて効率は悪いですし、メンテナンスのコストもかかります。ですが、やはり昔ながらの鉄釜ひじきで鉄分豊富なひじきを皆さまの元にお届けさせていただきたい。
火加減、湯加減、蒸し加減、ひじきをお召し上がりいただいた際の食感に直結する大切な部分を左右する鉄釜。そこにはしっかりこだわりを持ちつつ、今回理想的な大きさの6升窯が手に入りましたので、これからさらに商品のクオリティを上げ、安定させていこうと思います!
鉄釜でじっくり煮込んだ漁師直売の国産ひじき、ぜひご賞味ください!
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